1.採用の目的は?

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採用の目的

採用の目的は?

なぜ採用の必要が生じたのでしょうか?

これを考えずに採用活動に取りかかっても無駄が多く、採用に失敗する可能性が高いです

1.御社の採用記事は埋もれていませんか

「募集広告は出したけど、応募がない」という声をよく聞きます。
 募集記事の作成を、募集広告会社にすべて任せていませんか。
 広告会社の担当者は、御社のことをどれほど知っていますか。御社の人材の特徴を把握されていますか。
 給与金額と休日数が書いてあり「働きやすい環境です」という謳い文句で、どれだけの人が応募しますか。
 「応募したくなる求人」はどんな求人でしょう。

 これまでの経験から御社の特徴、特に応募者の目に留まるキーワードを盛り込んだ募集記事の作成や作成のアドバイスをします。
 また、職種にあった求人媒体の選び方や求人媒体の業者をご紹介します。 

2.採用は大きな投資

 私は「従業員の採用」を「従業員教育」とならんで企業活動の中で重視しています。
 それは、企業にとって従業員の採用が「大規模な投資」だからです。
 
最初にお断りしますが、私は「人とモノ」を同じように扱うつもりはありません。
 
わかりやすくするために以下の文章では「モノ」のように表現することをご容赦ください。

 大きな投資だと思うのは、以下の理由からです。
 「1.期間が長い 2.金額が大きい 3.活かせれば価値が増加」


1.期間が長い
 採用した人の「人件費」は毎年かかります。それは定年まで(再雇用制度があれば、
定年後も雇用が終了するまで)続きます。
 崩れかけているとはいえ、いまだ「終身雇用制」は日本の雇用慣行として残っています。
 従業員の雇用期間は何年間でしょうか。
 22歳で就職し65歳まで勤務すると43年間。
 例えば、建物の減価償却期間で言えば20年以上の「木造」を大きく超え、「鉄筋コンクリート造」の40年超と同じ。

 とても期間が長いです。

2.金額が大きい
 就業している期間(43年間)の平均賃金を500万円、退職金を2,000万円と仮定すると
  500万円×43年間+2,000万円 = 2億3,500万円 
 この金額は極端かもしれません。中途入社であれば、もっと金額は少なくなります。
 しかし、数年の雇用でも1,000万円を超えます。
 毎月20万円、30万円、賞与も加えると大きな金額になります。

人件費

3.活かせれば価値が増加
 どこにでも優秀な従業員はいます。
 その人の価値は給与以上のものがあるとお考えの経営者も多いと思います。
 採用した人材を活かすことも殺すことも、その企業・組織次第と言えます。

  ※活かす方法は従業員教育に記載いたします。

以上のことから、私は「採用」は「設備投資の決定」と同じように考えるべきと思います。
 社長や代表者が億単位の設備投資を決める際にどれだけ時間をかけて検討しますか。
 どれだけの時間と手間をかけて、その投資の効果や代替手段を検討しますか。
 億単位の投資なら、逡巡するし先送りも考えるのが普通だと思います。
 もちろん人件費は40年に及ぶ長い期間の投資ですので、キャッシュアウトは少しずつですが、途中解約できません。
 最も懸念すべき点にお気づきいただきたいのですが、それは返品や解約できないことです。
 人(従業員)は、自分(経営者)の意志で、容易に他人に譲渡できません。
 当初期待した性能を発揮しなくても返品や解約はできません。
 現在の日本において、解約(解雇)が出来ないわけではありません。

 しかし、解約(解雇)に至るまでには、多くの時間と労力、費用もかける必要があります。
 ですので、採用にはこれまで以上に手間と時間をかけていただきたいです。

 大企業は、新卒者を毎年4月に大量採用していますが、その準備は約1年半前から始めています。
 大学生採用であれば、3年生の夏のインターンから始まり、4年になるとエントリーシートの作成、筆記試験、面接試験と時間とお金をかけています。
 しかも、採用担当は、優秀な社員が担当することが多く、現場の社員をOB・OGとして紹介するときも優秀な社員を充て、通常の業務を止めてでもOB・OG訪問に専念するよう指示してる会社も多いと聞きます。
 ある調査では、新卒一人当たりの採用コストは50万円から90万円くらいとのことです。
 2億の投資と考えれば、調査コストが50万円でも妥当ではないかと思います。

 中小企業は大企業に比べ資源に限りがあることは承知していますが、それでも採用にはもっと資源を投入して、将来成長していただきたい。
 特に今は大企業が採用数や活動を控えています。この機会を逃さずに良い人材を採用する好機と思いますが、いかがでしょうか。
 ただし、一言忠告があります。
 自社の企業文化とかけ離れた人材や先輩社員よりもずば抜けて優秀で活躍しそうな人材を採用しても、離職される可能性が高いので、その点は十分留意して下さい。 

3.まとめ

 多くの中小企業で離職率が高い原因の一端は間違いなく「採用」にあります。
 「ミスマッチ」と表現されますが、それは採用される側だけではなく採用する側の思い違いもあります。
 ミスマッチは、採用する側、される側の双方にとって不幸です。

 「今、人が足りないから、応募してきた人はとにかく採用しよう」という方針はとても危ういです。
 高い確率で、何かしらの問題が発生します。

パートナーズ

  1. 採用された従業員が「想像していた仕事内容」と「実際の仕事内容」が違うことが不満 → 短期で退職
  2. 履歴書から期待していた経験や知識を持っていなかった → 就かせようと思っていた業務を任せられない
  3. 面接ではわからなかったが、コミュニケーション能力が低い → 上司が困っている
  4. 資格はあるが、実務が出来ない → 再教育の必要
  5. 退職者がいるのでとりあえず採用 → 現場からは「仕事が遅くて困る」との声 

4.よく検討してください

採用を行う前に以下の項目について検討ください。

  1. 本当に採用の必要があるのか(採用の可否、採用人数が適正であるか)
     →代替手段がないか。現有の従業員の配置見直しはできているか。
  2. 募集広告の期間、媒体、募集内容は、欲しい人材の目に留まるものか
  3. 募集プロセスは適切か(選考方法、選考担当者、最終決定者)
  4. 応募者に就いてもらいたい仕事の役割、職場環境、将来展望などを十分説明したか
  5. 応募者を十分リサーチしたか(履歴書に記載の内容と面接時の応答に整合性はあるか)
  6. トップが直に面談して、印象として応募者を信頼できるか

5.採用の改善手段

採用を行う前に以下の項目について検討ください。

◯募集広告を見直す
  会社の特徴を盛り込む
  応募者に会社を「見える化」する 

◯書類選考を行う
  書類を提出させ応募者を事前調査しましょう

◯筆記試験を行う
  面接だけは得意な方はいます。筆記試験を行うことで履歴書だけでは見えない面が明らかになります

◯面接は現場責任者とトップが参加する
  採用を人事担当者任せにしないで、少なくとも現場責任者とトップが出席して採否を判断して下さい

早めに対処することが、最終的には大きな効果が得られ費用も少なく済みます。

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