【AIで雇用破壊のウソ:ホワイトカラーが今後も稼げる理由】
この動画が面白かったですよ!
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AIでホワイトカラーの仕事が激減し、ブルーカラーの価値が上がるとの予測が世界中で広がっている。
しかし、「それは正しくない」と雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏は主張する。
なぜAIで雇用崩壊は起きないのか?AIは仕事をどう変えるのか?熱弁してもらった。
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世間では「AIによってホワイトカラーの仕事がなくなり、これからはブルーカラーの時代だ(ブルーカラーが富裕層になる)」といった極端な言説も飛び交っていますが、この動画ではそうした単純な二元論を否定し、より解像度の高い未来予測が語られていました。
特に以下の3点が心に残りました。
1. 「ブルーカラーは儲かる」という安易な期待への警鐘
動画の中で海老原氏は、ホワイトカラーの没落と対比して語られがちな「ブルーカラー・ビリオネア(現場仕事で大金持ち)」説を明確に否定していました。
その理由はシンプルで、現場作業系の仕事の多くは、海外へのオフショア(生産移転)が可能であったり、国内であっても職業訓練校などで比較的短期間に育成可能な人材で代替できたりするからです。供給が調整されやすい領域で、一部の人だけが極端に高年収を得る構造にはなりにくいという指摘は、需給バランスの観点から非常に納得感がありました。
「現場仕事の価値が見直される」ことと「ブルーカラーになれば誰でも儲かる」ことはイコールではありません。この点を履き違えるとキャリア選択を誤ってしまうと感じました。
2. ホワイトカラーでも「単調作業者」は淘汰される
一方で、ホワイトカラーが安泰かと言えばそうではありません。動画では、ホワイトカラーの中でも「PC内で完結する単純作業(データ入力や定型的な事務処理)」を行っている層は、AIやRPAへの置き換えで仕事が激減すると予測されていました。
しかし、これは「ホワイトカラー全滅」を意味しません。むしろ、営業職や企画職のように対人折衝や複雑な判断を伴う業務は、AIという強力なツールを味方につけることで、長時間労働から解放され、より生産性の高い「ホワイトな」働き方が可能になるとのことです。
淘汰されるのは「職種」そのものではなく、職種の中にある「付加価値の低いタスク」に固執する働き方なのだと理解しました。
3. 士業は「知識の切り売り」から「意志の実現」へ
個人的に最も刺さったのが、弁護士や税理士といった「士業(スペシャリスト)」に関するお話です。
これまでは、難解な法律や知識を記憶し、正確にアウトプットすることに高い価値がありました。しかし、判例検索や書類作成といった「知識の引き出し・処理」はAIが最も得意とする領域です。
海老原氏の言葉を借りれば、これからの士業に求められるのは「知識」ではなく「意志(Will)」だといいます。「この法律を使って何を成し遂げたいのか」「クライアントの課題をどう解決したいのか」というプロデュース能力や戦略眼こそが価値になります。
「暗記が得意なだけの専門家」はAIに代替されますが、「AIを使いこなして目的を達成できる専門家」はより強力になります。これは士業に限らず、あらゆる専門職に通じる教訓だと感じました。




