小さな職場こそ、規程の整備が経営を守ります

小さな職場こそ、規程の整備が経営を守ります

この記事の要点

  • 就業規則の作成・届出義務は、常時10人以上の労働者を使用する事業場
  • 小さな職場ほど、一つのトラブルの影響が大きい
  • 労働時間、休日・休暇、賃金、退職といった基本事項から書面にする

「うちは職員が数人だから、就業規則はまだいらないと思って」

小規模な事業所の経営者の方から、よくこう伺います。たしかに、就業規則の作成と届け出が義務となるのは、常時10人以上の労働者を使用する事業場です。人数は、パートやアルバイトも含めて事業場ごとに数えます。10人未満であれば、作らなくても法律違反にはなりません。ただし、10人未満でも、労働条件の明示や、残業をさせる場合の36協定などは別途必要です。

それでも私は、小さな職場こそ、就業規則をはじめとする規程を整えておくことをおすすめしています。

小さな職場で最初に書面にしたいこと小さな職場で最初に書面にしたいこと1労働時間2休日・休暇3賃金4退職
小さな職場で最初に書面にしたいこと:労働時間/休日・休暇/賃金/退職

小さな職場ほど、一つのトラブルが重くのしかかります

職員が数人の職場では、一人ひとりの存在が大きく、一人とのトラブルが職場全体を揺るがします。休みの取り方、残業の扱い、退職の手続き。こうしたことが決まっていないと、問題が起きるたびに経営者がその場で判断しなければなりません。

その判断が職員ごとに違えば不公平感が生まれ、口約束が食い違えば「言った」「言わない」の争いになります。小さな職場では、経営者と職員の距離が近いぶん、こうしたこじれが感情的になりやすいものです。

規程は、経営者の判断を助ける道具です

ルールが書面になっていれば、経営者は毎回悩まずに済みます。「規則ではこうなっています」と説明できることは、経営者にとっても職員にとっても安心材料です。

また、事業場で常時使用する労働者が10人以上になったとき、慌てて規則を作るよりも、小さいうちからルールを育てておく方が、職場の実情に合った規則になります。事業が成長していく前提で、早めに土台を整えておくことは、経営の先行投資と言えます。

最初から完璧を目指さなくて大丈夫です

小さな職場の規程は、最初から細かく作り込む必要はありません。まずは、労働時間、休日・休暇、賃金、退職といった基本的な事項を書面にするところから始めれば十分です。そのうえで、職場が成長するにあわせて少しずつ見直していけばよいのです。

荒井社会保険労務士事務所では、職員が少なくルールがあいまいなままになっているという不安をお持ちの方に、職場の規模に合わせた規程づくりを提供し、その不安を取り除くお手伝いをしています。

今日からできること

職員から聞かれて、その場で答えに迷ったことを三つ思い出してみてください。それが、最初に書面にすべきルールです。

よくある質問

Q. 職員が10人未満なら就業規則はいりませんか?

A. 作成・届出の義務はありませんが、ルールを書面にしておくとトラブル防止に役立ちます。なお、労働条件の明示や36協定などは人数にかかわらず必要です。

Q. 10人はどのように数えますか?

A. 事業場ごとに、パートやアルバイトも含めて常時使用する労働者の人数で判断します。

この記事を書いた人

荒井 紀洋(あらい のりひろ) 社会保険労務士・採用定着士

荒井社会保険労務士事務所 代表。医療機関で約12年間、人事・労務を担当し、人事・経理課長、事務長、事務局長を務める。2020年に事務所を開業し、医療・介護・中小企業を中心に、労務管理、人事制度、組織づくり、採用・定着の支援を全国で行っている。

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