この記事の要点
- 服務規律は、経営者が期待する働き方を言葉にしたもの
- ひな形のままだと、指導や処分の説明が難しくなる
- 職場で起きた問題をもとに、具体的な言葉で見直す
「服務規律の章は、ひな形をそのまま使っています」
就業規則の中でも、服務規律は特に読まれない部分かもしれません。「職務に専念すること」「職場の秩序を乱さないこと」といった条文が並び、どこの職場でも同じような内容になりがちです。経営者の方にとっても、「何かあったときのための決まり文句」という位置づけになっていることが多いのではないでしょうか。
服務規律は、職場が大切にしたい働き方の表明です
服務規律は、本来、「この職場では、こういう働き方をしてほしい」という経営者の考えを示すものです。禁止事項を並べるだけでなく、職員に期待する行動を言葉にする場でもあります。
たとえば医療・介護の職場であれば、利用者の情報の取り扱い、身だしなみ、言葉づかい、利用者や家族との金品のやりとりなど、その職場ならではの大切なルールがあるはずです。ひな形の条文だけでは、こうした職場固有のルールは表現できません。
あいまいな規律は、指導や処分の説明を難しくします
服務規律がひな形のままだと、困るのは問題が起きたときです。職員の行動を注意しようとしても、「どこにそう書いてあるのですか」と言われてしまう。懲戒を検討しようにも、根拠となる規定がはっきりしない。こうした状況は、管理職の指導をためらわせる原因にもなります。
もちろん、業務上必要で適正な指導は、すべての行動が就業規則に細かく書かれていなければできないものではありません。ただし、懲戒処分を行う場合は、根拠となる規定とその周知、処分の相当性を別に確認する必要があります。職場のルールが具体的に書かれていれば、管理職は自信を持って指導でき、職員も何が求められているのかを理解しやすくなります。
服務規律を見直すときのポイント
- 職場で実際に起きた問題を振り返る 過去に注意したことや困ったことは、規律に加えるべき候補です
- 具体的な言葉で書く 「適切に」「節度をもって」だけでなく、何をすべきか、何をしてはいけないかを示します
- 今の働き方に合わせる SNSの利用、私物のスマートフォン、在宅勤務など、新しい課題も検討します。私生活に関わるルールは、業務との関連や必要性をふまえて定めます
- 職員に説明する 規律を変えたら、その理由とあわせて職員に伝えます
服務規律が職場の実情に合っていれば、それは職員を縛るものではなく、迷ったときの道しるべになります。
荒井社会保険労務士事務所では、服務規律がひな形のままで指導の根拠にならないという不安をお持ちの方に、職場の実情に合わせた服務規律の見直しを提供し、その不安を取り除くお手伝いをしています。
今日からできること
この1年で職員に注意したことを三つ書き出し、それが服務規律に書かれているか確かめてみてください。
よくある質問
Q. 服務規律に書いていないことは指導できないのですか?
A. 業務上必要で適正な指導は、すべての行動が細かく書かれていなければできないものではありません。ただし懲戒処分には、根拠となる規定とその周知が必要です。
Q. SNSの利用についても定めるべきですか?
A. 情報管理の観点から検討をおすすめします。私生活に関わるルールは、業務との関連や必要性をふまえて定めます。
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